日時:平成14年5月17日10時〜18日15時40分
会場:岡崎市葵丘会館(名鉄東岡崎駅南口徒歩1分 地図は こちら です;電話 0564-57-1451)
趣旨
分子科学の各分野において、先端的であると思われるいくつかのテーマを分野横断的 な観点から選び、それらのフロンティアで活躍する研究者の間で集中的な討論を戦わ
せることを通じて、分子科学分野の次世代に向けた活性化を試みようとシンポジウム を企画致しました。特に、大学院生や若手研究者にもシンポジウムへの積極的参加を
呼びかけて、将来の分子科学の発展を真剣に考える機会に致します。
申込方法
本会事務局宛電子メールで申し込み下さい。
(m-bunshi@ims.ac.jp;返信モードでOKです)
締め切り:4月22日(月)
------------------参加申し込みフォーム------------------
・氏 名:
・所 属:
・職 名:
・住 所:〒
・電話番号:
・Fax 番号:
・e-mail :
・参加予定日:【 】5月17日(金)【 】5月18日(土)
・旅費補助:【 】希望する 【 】希望しない
・宿泊の手配:【 】希望する
・懇親会:【 】参加する 5月17日(金)
*【 】内には、該当するところに○を入れて下さい。
------------------------------------------------------
シンポジウムの特徴
討論に主体をおき、セッション1つに2時間を割り当てます。それぞれのセッショ ンでは、 ディスカッションリーダーによる10〜15分のレビューを行い、それに引き続き、
講演30 分を2人の講師にお願いします。その後、45分の討論時間を設けます。
5つのセッションのディスカッションリーダー、講師、セッションの趣旨と内容を以 下に示します。
(1)時間領域
ディスカッションリーダー :鈴木俊法・永田 敬
講師 :小川晋(日立基礎研究所) 緑川 克美 (理化学研究所)
化学反応はフェムト秒・ピコ秒オーダーで起こる現象であり、その追跡には超高速分 光が必要であった。固体レーザーの発展により、このような実験研究は長足の進歩を 遂げたが、分子内の電子や核の運動を直接捉えるためには、更なる時間分解能の改 善、波長領域の拡大、新しい実験手法の開拓が行われねばならない。一方、分子科学 は気相・液相・固相から人工的に構築された新奇なナノ構造に至る多様な物質・相を 研究対象としながら、その反応性と物性に普遍的かつ基礎的な理解と制御法を確立す ることを一つの目標としている。そこで、物質や相に規定されない物質と光のコヒー レンスという一般的な視座に立って、周辺領域である物理・工学の最先端の話題をご 紹介いただく。
(2)周波数領域
ディスカッションリーダー :百瀬孝昌・渋谷一彦
講師 :天埜尭義(茨城大理) 藪崎 努(京大理)
周波数領域の分光学は、基礎科学としての発展のみにとどまらず、天文学、環境、通 信、量子光学など様々な研究領域との関わりを持つことによって、近年新たな展開が みられつつある。今回はその中で2つのテーマを取上げる。まず、天文学との関わ り、特に星間分子の生成機構の解明に果たしている分光学の役割について、最近の話 題も含めたレビュー講演をしていただく。また、最近、レーザー冷却技術などの発展 によって、量子的な環境のなかに埋め込まれた原子・分子の新しい高分解能分光が展 開され、凝縮系のなかの原子・分子の運動状態・相互作用などに関して詳細な情報が 得られるようになっている。特に量子光学の立場からこの分野を研究されている講師 に最新の成果を紹介していただく。
(3)空間領域
ディスカッションリーダー :藤井正明・山下晃一
講師 :吉信 淳(東大物性研) 福村裕史(東北大院理)
最近のナノテクノロジーの進歩はSTMなどの新たな空間解像手段の進歩により切 り開かれたものであり、表面科学、生体をも含む1分子分光など新たな成果が次々に 報告されてきている。では、このような空間解像法(顕微法)により分子の何が新た に分かったのであろうか。また、従来のエネルギー・時間分解を主体とする分光法と はいかなる関わりを持つのであろうか。ナノ空間最前線にいる講師に解説をお願い し、これを元に討論したい。
(4)生体分子
ディスカッションリーダー :寺嶋正秀
講師 :小倉 尚志(東京大学大学院 総合文化) 石井由晴 (JST・1分子過程プロジェクト)
生体分子の関与した化学反応は、非常に多くの原子分子が関与した蛋白質という環境 を抜きにしては理解できない。ところが蛋白質は、あまりに多くの原子の関与した場 であるため、複雑すぎて分子科学の観点からの研究があまり進んでない時期が長かっ たと言える。しかし最近の技術の進歩により、分子レベルで生命科学反応を解明する ための研究が目覚しく進んでいる。ここでは、蛋白質内の局所的な観点から生体分子 の反応を分子レベルで理解する試みを続けておられる方と、1分子計測の手法を用い て蛋白質の揺らぎを研究されている方の2人をお招きして、「生命現象と分子科学」 のセッションを設ける。いずれも活発な議論をおこすであろう、最先端の話題をご紹 介いただける予定である。
(5)強光子場
ディスカッションリーダー :山内 薫
講師 :河野裕彦(東北大) 中村一隆(東工大)
近年の超短パルスレーザー光の開発は、強い光子場における、原子、分子、クラスタ ーの特異な振る舞いを研究することを可能としたばかりでなく、真空紫外から軟X 線、硬X線にわたる、高エネルギーパルス光源の開発を可能とし、分子科学のフロン ティアを拡大しつつある。本セッションでは、そのような研究の現状を紹介するとと もに、第一線での研究成果を紹介していただき、次に取り組むべき課題は何かをとも に考える。
------------------------------------------
プログラム
第1回分子科学研究会シンポジウムプログラム
平成14年5月17、18日
主催 :分子科学研究会
5月17日(金)
10:00−10:10 はじめに
10:10−12:10 セッション・ 時間領域
ディスカッションリーダー :鈴木俊法(分子研)・永田 敬(東大)
スピーカー :小川 晋(日立基礎研究所) 緑川克美(理化学研究所)
12:10−1:30 昼休み
13:30−15:30 セッション・「周波数領域」
ディスカッションリーダー :百瀬孝昌(京大)・渋谷一彦(東工大)
スピーカー :天埜尭義(茨城大学理学部) 藪崎 努(京都大学・大学院理学研究科)
15:30−16:00 休憩
16:00−18:00 セッション・「表面・ナノ空間」
ディスカッションリーダー :藤井正明(分子研)・山下晃一(東大工)
スピーカー :吉信 淳(東京大学・物性研究所) 福村裕史(東北大学・大学院理学研究科)
18:30−20:00 懇親会
5月18日(土)
10:00−12:00 セッション・「生体分子」
ディスカッションリーダー :寺嶋正秀(京大)
スピーカー :小倉尚志(東京大学・大学院総合文化研究科) 石井由晴 (JST・1分子過程プロジェクト)
12:00−13:30 昼休み
13:30−15:30 セッション・「強光子場」
ディスカッションリーダー :山内 薫(東大)
スピーカー :河野裕彦(東北大学・大学院理学研究科) 中村一隆(東京工業大学・応用セラミックス研究所)
15:30−15:40 おわりに