日時:平成15年5月16日(金)10時 〜 5月17日(土)13時40分
会場:岡崎コンファレンスセンター
http://www.orion.ac.jp/data/frame/k1_1.html
プログラム
5月16日(金)
10:00−10:10 はじめに
10:10−12:10 セッション・ 表面科学
12:10−13:30 昼休み
13:30−15:30 セッション・時間空間波長分解分光
15:30−16:00 休憩
16:00−18:00 セッション・超分子・自己組織化
18:30−20:00 懇親会
5月17日(土)
9:00−11:00 セッション・固体物性
11:00−11:30 休憩
11:30−13:30 セッション・タンパク質の分子科学
13:30−13:40 おわりに
シンポジウムの特徴
討論に主体をおき、セッション1つに2時間を割り当てます。それぞれのセッションでは、 ディスカッションリーダーよる10〜15分のレビューを行い、それに引き続き、
講演30 分を2人の講師にお願いします。その後、45分の討論時間を設けます。
5つのセッションのディスカッションリーダー、講師、セッションの趣旨と内容を以下に示します。
(1)表面科学
ディスカッションリーダー: 松本吉泰(総合研究大学院大学)
講師:谷村克己(大阪大学産業科学研究所)
「半導体表面における光誘起構造不安定性と表面キャリヤー動力学」
超短パルスレーザーやSTMに代表されるレーザー技術、ならびに、走査型顕微鏡技術 の進展により、表面科学分野では新たなフェーズが始まりつつある。すなわち、超短
パルスレーザーの導入は、従来観測することが難しかった固体表面におけるキャリ ヤーのダイナミックス、また、これに伴う構造変化や吸着種の反応における原子核ダ
イナミックスを実時間でプローブすることを可能にしつつある。一方、極低温下での STM観測は、原子分解能を有する優れた解像度を提供するだけではなく、表面におけ
る単一分子の振動分光を可能にし、また、固体表面における分子マニピュレーション を可能にしつつある。これらは、一方が実時間、もう一方が実空間におけるもっとも
先鋭化された研究方法であるため、一見両者のあいだには接点がないようにも見える かもしれない。しかし、両者とも表面を舞台とした非熱的な励起に注目するという意
味で共通点があり、互いに相補的に表面科学の新たな分野を形成しようとしている。 そこで、本セッションでは、特に「半導体表面における光誘起構造不安定性と表面
キャリヤー動力学」、および、「トンネル電子を用いた原子スケールでの化学反応: モード選択した局所励起」を主なトピックスとして上記2名の講師を中心として議論
を進めたい。
(2)時間空間波長分解分光
ディスカッションリーダー:岡本裕巳(分子科学研究所)
講師:玉井尚登(関西学院大理工学部)
「近接場・ダイナミック分光」
松下道雄(東京工業大学理工学研究科)
「一分子観測による空間・波長分解分光」
「分光法」は光を波長に分けて解析することに始まった。それに時間の要素が入って 時間分解分光が生まれ,更にレーザーの発展により,波長・時間の分解能がともに極
限的な領域にまで到達した。一方,通常の光学測定の空間分解能には回折による限界 があり,分光法の対象は光の波長より十分大きな試料に限られていた。しかし最近で
は,新たな手法で回折限界を超える空間分解能を得ることや,1分子の分光が可能と なってきており,分子科学の方法論にも新たな展開を与えつつある。このセッション
では,異なる手法で微小領域の動的過程や1分子の挙動に迫る研究を展開されている お二人に,それらの方法論や分子科学的な意義について解説をお願いする。
(3)超分子・自己組織化
ディスカッションリーダー : 亀井信一(三菱総合研究所先端科学研究センター)
講師:藤田誠(東京大学大学院工学系研究科)
「自己組織化分子システム」
君塚信夫(九州大学大学院工学研究院)
「自己組織性を有する新しいナノシステムのデザイン」
分子ナノテクノロジーの研究課題として、自己組織化に関わる現象の理解とその活 用が重要視されています。しかしながら、自己組織化をどのように捉えるかは、分野
によって大きく異なります。今回は、敢えて有機化学を専攻し種々の魅力的(魅惑 的)な化合物を次々と合成している我が国を代表する2名の研究者に話題提供をお願
いしました。また、ディスカッションリーダーも民間シンクタンクに身を置く研究者 です。世界の分子ナノテクノロジー研究が何を目指しているのか。これに有機化学者
はどう迫ろうとしているのか。分子科学の立場からはこれにどう寄与出来るのかを議 論したいと思います。一度、化学の原点に立ち帰って、広い視野から自己組織化を考
えてみませんか。
(4)固体物性
ディスカッションリーダー :榎 敏明 (東京工業大学)
講師:清水克哉(大阪大学極限科学研究センター)
「超高圧下の分子の解離・金属化・超伝導」
阿波賀邦夫(名古屋大学大学院理学研究科)
「分子スピン−操作性と量子性の展開」
近年、分子集合体に関わる分子科学は、固体物理学の分野と急速に接近し、両者の境 界で物質合成、物理化学、固体物理からのアプローチがマージし、新しい学際分野が
発展しつつある。フラーレン等のナノ炭素系、有機超伝導体、分子磁性体等はその典 型であり、分子の個性が電子物性、磁気物性等に反映し、多角的な視点からの研究が
必須となっている。また、超高圧下では、分子間相互作用は分子内の結合エネルギー と競合する状態となり、分子と固体との区別がなくなる。本テーマでは、分子と固体
との狭間で期待される新しい分子集合体科学に焦点を当てる。講師には、固体物理の 視点から、超高圧下での分子の振舞い、及び、分子科学の立場から、磁性の新しい展
開を紹介していただく。
(5)タンパク質の分子科学
ディスカッションリーダー:水谷泰久(神戸大・分子フォト)
講師:後藤祐児(大阪大学蛋白質研究所)
「蛋白質のフォールディングとアミロイド線維形成」
伊藤繁(名古屋大学大学院理学研究科)
「光合成の電子移動とエネルギー変換反応」
われわれのタンパク質観を豊かにするために、分子科学者は何をすべきなのでしょう か。Linus Paulingのα-へリックス構造の提案、Max
Perutzのヘモグロビンの協同性 発現機構モデルなど、これまでに優れた物理化学者が、構造化学の立場からタンパク 質を理解するうえで重要な概念をつくってきました。これらの成果が重要であるの
は、これらがタンパク質を理解するうえで重要な分子構造の概念を与えているからに 他なりません。このセッションでは、タンパク質を全体から眺めた研究をされている
方、タンパク質をそのパーツを中心に研究されている方の二人をお招きし、「分子科 学者がタンパク質の理解にどのように寄与しうるか」という問題を考えてみたいと思
います。
申込方法
本会事務局宛電子メール
m-bunshi@ims.ac.jp
締め切り:4月21日(月)
------------------参加申し込みフォーム----------------
・氏名(ふりがな):
・所 属:
・職 名:
・住 所:〒
・電話番号:
・Fax 番号:
・e-mail :
・参加予定日:【 】5月16日(金)【 】5月17日(土)
・旅費補助:【 】希望する 【 】希望しない
・宿泊の手配:【 】希望する
・懇親会:【 】参加する 5月16日(金)
*【 】内には、該当するところに○を入れて下さい。
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*本会非会員の方は、ホームページより入会お願い致します。
不明の方は事務局へお 問い合わせ下さい。
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/bunshi/annai.html